午睡は香を纏いて
そんなこと、初めて言われちゃった……。
瞳を合わせ、微笑みあったその瞬間だった。

頭の奥で、ばちんと何かが弾ける音がした。

ぱんぱんに膨らんだ水風船が、ため込んだものを一気に放出する感覚。
正体の分からない謎のものが膨れ上がって、あたしを中から押しつぶした。


「……っは! げ、ぇ……っ」


吐き気が襲う。たまらずに膝を折り、その場に倒れこんだ。


「きゃああああ!? ユーマ様!?」

「どうした!?」


ガンガンと耳鳴りがする、その遠くにカインの声が聞こえた。


「カイ……ン……」


苦しい。体の奥から何かが湧いてきてあたしを飲み込んでしまう。
助けて、カイン。一体何が起きたの?


しかし、それを口にすることもできず、あたしは意識が遠のいていくのを感じた。


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