午睡は香を纏いて
せめて外見がサラに似ていたら、少しは受け入れてもらいやすくなったのかな。
いや、やっぱり中身が近いほうがいいのか。
どちらにせよ、両方不足しているのだからどうしようもない。

ううむ、何だか声をかけづらくなってきた。
でも、避けていいものでもないし。


「カイン様は怖い人じゃないよ。勘違いされやすくはあるけどね。きっとすぐに仲良くなるんじゃないかい?」

顔に出ているのだろうか。頭の中を見透かされた言葉に、曖昧に頷いた。


「長と違って分かりにくいだろうけど、大丈夫さね。安心おし」

確かに、第一印象だけで勝手に判断してもよくない。カインはあたしのことを何とも思っていない可能性だって、ある。

「は、い。仲良くできるように頑張ります。それで、あの、『長』って、レジィのことですか?」

さっきから気になっていた。レジィって、偉い人なんだろうか。






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