紅蒼ノ魔女(仮)
「迷い、じゃないかしら?」


「迷い?」


「何か思いあたることはない?」



なんか迷うことあったっけ?


考えること数秒。


…沢山あったような気がする。



「その表情は何かあったみたいね。

言ってみなさい。」


「夜は10時に寝るか、11時に寝るか、ご飯はリーシィ達ととるか、セオと二人でとるか、あの道を右に行くべきか、左に行くべきか…」



そして…


戦争を止めるか、止めないか。



「ふざけてるの?」


「まさか!

本気で迷ったことだよ?」



これでも真面目に答えたつもりだ。



「そうじゃなくて!

なんて言えばいいのかしら?」



君が質問してきたのに僕には聞くのは間違っていると思う。



「あっ、そうだ!

カイヒ、貴方は今でも面白いを基準に物事を決めているの?」


「当然そうだけど。

それがどうかした?」


「それじゃない、原因?」



どういうことだ?


面白いを基準にしているのが迷うに繋がり、魔力をうまくつかえなくて…


もう、意味がわからない。


そんな気持ちが伝わったのかトラが説明してくれた。



「最近、面白いを基準にしないで決断をした時はない?

または、しようとしているとか。」


「ない。」


「即答しないで考えて!」



きっぱり言える。


ない、と。


なのにどう考えろというのだ?


でも仕方なく考えているふりをしているとそれはすぐにバレた。



「カイヒ自身のことなんだから、真面目にやりなさい!」


「さっきからずっと真面目にやってるんだけど。」



だから怒られる筋合いはないと思う!



「はぁ…もういいわよ。

でも何かしらはあったはずよ。

それがおそらく原因。」



何かしらって…


随分とアバウトだな。



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