紅蒼ノ魔女(仮)
サイリのことを思ってる発言。



「ありがとう、心配してくれて。」


「あぁ。」


ポンッ


……


またですか。



「子供扱いは禁止ですよ。

さっきリーシィにも言ったけど。」


「悪い。

つい、な。」



で、やっぱり止めないサイリと僕。


この手があたたかいから。


もちろんリーシィの手も。


大人しく撫でられていると言い争っていたシュリアが気付いたようで、ものすごい速さでこちらに向かってきた。



「サイリ様に何をするの、平民!!」



僕は何もしていないんだが。


責めるならサイリを責めるべきだ。



「サイリ様もこんな娘に触ってはいけませんわっ!!」



サイリの腕を取り、僕の頭からはずす。


あーあ、離れちゃった。


自分で微かに触れた時、目の前にシュリアの手を思い切り払うサイリが見えた。


今のはやり過ぎだ!


僕に被害がくる!


そう感じた途端睨まれた。


だから僕のせいじゃないって。


リーシィは笑ってるし。



「ふ、ふんっ!

どうせ結婚の話でしょ!!

何を言ったって今更取り消しにはならないわよ!

ね、サイリ様?」


「……」



そして、無反応。


リーシィは更に笑う。


なんだかシュリアが可哀想になってきた。


フォローはしないけど。



「もう、いいわよ!!

結婚したらサイリ様とずっと一緒にいられるもの!!」



そう言ってシュリアは出て行った。


ズキッ


ん、なんだ?


シュリアの言葉をきいた途端、胸が痛くなったような…


気のせいだな。



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