紅蒼ノ魔女(仮)
「改めて、このぐったりしているのがトラだよ。

見ての通りの名前だから簡単でしょ?」


「嘘の情報を流しているのが気になるけど…

もう突っ込む気にもなれない。」



本当にお疲れですな、僕のせいで。



「で、彼女がリーシィで彼が弟のサイリ。

この国の姫と王子だよ。」


「よろしくね、トラ。」


「よろしく。」


「えぇ、よろしく。

あとで本名教えるから。」



それは阻止しないと。


つまらなくなってしまうじゃないか。



「じゃあ、本題に入ろうか。

僕は紅魔女の頂に会ってきた。

新情報はなし、以上。」



……


しらけました。



「まさか本当にないとわね…」


「何も、わからなかったのか?」


「答えてもらえなかったんだ。

敵視されてたからね。」


間違いは言っていない。


実際は僕が反抗してしまったからなんだけど、僕を魔女と知らないサイリにはいえないし。



「そう、残念ね。」


「あっ、でも紅魔女達は本当に一カ所で集団になってた。

だから多分他の魔女も一緒。」


「それだけわかっただけでもいいわ。

これからたまたま魔女を見つけた時、すぐそばに他の魔女もいるかもしれないって予測できるもの。」


「そういうのを狙ってまた調べるしかないのか。」



だけどもう時間はないんだよ、サイリ。


リーシィは知ってるけどサイリは知らない。


一週間後には戦争が始まってしまうことを。



「私、情報あるわよ?」



今までぐったりしたまま聞いていたトラが起きて言った。



「どういうこと?」


「仲間に頼んで聞き回っていたのよ。

そしてわかったことがある。」



戦争に関してなら話さないだろう。


サイリがいるから。



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