紅蒼ノ魔女(仮)
ということは。



「紅魔女と蒼魔女が敵対関係になった理由。」



やっぱり。


これはサイリが知りたかった情報だ。



「聞きたい？」


「もちろん。」


「遠い昔のことよ。

まだ人間と魔女の仲が悪くなかった時の話。」



人間と魔女、それぞれの種族はそれぞれの生き方でお互いとくに干渉せずに生活していた。


人間は街で、魔女は自然の中で。


ある日子供の魔女は人間の住む街へ出かけて行った。


止める者はいなかったが、ただその魔女は人間の前では絶対に魔法をつかうな、とだけ言われていた。


はーい、と軽く返事をした子供の魔女はまだうまく魔法をつかうことができなかった。


だから心配はいらないと本人も周りの人も思っていた。


子供の魔女は人間の街では目立っていた。


人間とは違った容姿、服装。


だけど誰も嫌がりはせず、逆に不思議がって近付いてきた行った。


子供の魔女には沢山の友達ができた。


それから毎日のように子供の魔女は街へ行った。


他の魔女も連れて。


みんな歓迎してくれた。


はずだった。


事件が起きたのは一週間後。


街に遠出をしていたある男が帰ってきた。


その男は全身血だらけでボロボロだった。


何があった！？とみんな近寄っていく。


魔女達もその中に混じっていた。


それに気付いた男は叫んだ。


悪魔、と。


何を言っているんだ？


人間はそう思った。


だが、男は言葉を続けた。


この傷はお前の仲間がやったんだ！


お前らと違って紅色ではなく蒼色だったが、お前らの仲間だろ！？


この頃、魔女同士の衝突もなく、紅魔女と蒼魔女は仲が良かったため違う、そんなことをするはずがない、と魔女は叫んだ！


まだ人間は魔女を信じていた。


そうだよな、と納得しようとした。


だけど、次の言葉でそれはなくなる。



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