紅蒼ノ魔女(仮)
そんな会話をして笑い合っていると、コンコンッとドアを叩く音が聞こえてきた。



「どうぞ。」


「失礼します。

サイリ様の婚約者が参られました。

リーシィ様も来るようにとのことです。」



リーシィを見ると明らかに嫌そうな顔をしていらっしゃる。


サイリ…って人の婚約者に会いたくないのかな?



「はぁ。

わかったわ。」



渋々言うと呼びに来た方、メイドらしき人がドアを静かに閉め、部屋を出ていった。



「大きい溜め息だね。

今かなりの幸せが逃げたよ。」


「毎日逃げっぱなしだからいいわよ、別に。」



ダルそうに立つと僕の頭に手をのせた。


それを左右に動かす。


つまり撫でられている。



「私は行くけどカイヒは寝てなさい。

その身体、早く治さなきゃ。」



ポンポンッと叩かれ手が離れた。



「色々とありがと、リーシィ。」



そう言うとリーシィは驚いた顔をした後、嬉しそうに笑ってくれた。



「じゃあね。

ゆっくりお休み。」




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ふぅー。


1日にいろんなことありすぎて疲れた。


ってあれ?


ケガしてから日にちって過ぎたのかな?


まぁいいや。


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