紅蒼ノ魔女(仮)
「それはどうして?」


「それは…

って、リーシィ質問しすぎ。」


「ごめんなさい。

でも私も知りたいのよ、貴方の今の気持ちを。」



僕も知ってほしいと思った。


だけどこの気持ちは、言ってもいいもの?


ここまで口に出して、何を言ってるんだとも思うが。



「大丈夫。

私は姫よ?

貴方の想いを受け止められる。」



言ってもいい?


僕のこの気持ち。


初めて芽生えたこの想いを。


きっと…



「僕は、サイリの側にいたいんだ。

だから本当のことを知られたくない。」



魔女だからって、違う世界の者だからって、側にいられなくなることが嫌なんだ。



「僕はサイリに恋をしてる。

サイリが好きなんだ。」



モヤモヤが消えた。


わかった、いや、認めたことにより、迷いが消えた気がした。



「ふふっ」


「…リーシィ、気持ち悪い。」


「あら、失礼ね。

笑っているだけじゃない。」



だからそれが気持ち悪いんだってば。


とは言わないでおいた。



「良かったわ、貴方がサイリを好きになってくれて。」


「何故?

こんなよくわからない僕がこの国の王子を好いているんだよ?

大事な大事な君の弟を…」


「だからよ。

大事だから貴方みたいな子にサイリの唯一の相手になって欲しかったの。」



本当に良かったわ。


サイリが僕のことをどう思っているかわからないのに、はしゃぎすぎだと思う。



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