紅蒼ノ魔女(仮)

役目

次の日の朝、目が覚めてもやはり元には戻っていなかった。


僕にとっての非現実的な世界のまま。



「カイヒ、起きてるかしら?」



ドアを叩くと共に聞こえてくる声。


リーシィだ。



「起きてるよ。」


返事をすると部屋に入ってきた。



「おはよう。

ケガの方はどう?」


「それがほとんど痛みはないんだよね。

魔女の治癒能力とかなのかな。」


「そうかもしれないわね。

見るからにもキズが消えていっている感じだし。

明日には完治するんじゃないかしら。」


「そうだといいけど。」



右も左もわからないような状態で一人で生活するのは無理がある。


歩けない、とかなってないよね。


不安になってベッドから足を出し立ってみる。


そのまま足を交互に前に出す。



「うん、普通に歩けるね。」


「それは良かったわ。

それで早速で悪いんだけど…

その服からこれに着替えてくれる?」



膝下ぐらいまでのワンピース…おそらくドレスであろう服を渡された。


あれ、そういえば私の服はどこにいったんだ?


寝る時の格好はTシャツとハーフパンツだったはず。



「あぁ、あれはあまりにボロボロになっていたから脱がせたのよ。

捨ててはいないから。」



あー、結局はゴミ箱行きかな。


かなり剣とかでやられて、裂かれたりしてるよね。


もう着れないでしょ。


僕のパジャマが1セット消えた。


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