紅蒼ノ魔女(仮)
カンッ


剣でうち合う。


魔剣には魔力を流し、簡単にははじかれないようになっている。


それでも強い力が私に襲いかかる。



「くっ!」



男女の力の差だろうか。


おそらく相手は魔力をつかっていない。


なのに押すことができない。


むしろ、押されて後退している。



「っ…」



手首に痛みが走った。


すぐさま両手で持つが、剣ははじかれ、地面に倒れてしまった。


喉に剣を突き立てられる。



「「セオリー様!!」」



いつも私の側にいてくれた二人がいち早く気付いてくれたが、距離があり過ぎる。


間に合わない。


…ここで終わりか。


私は静かに瞳を伏せた。






_________
___________


目の前から襲いかかってきた魔剣を止めた。


見ると奴は紅魔女の下についている橙魔女だった。


正直カイヒとのことがあり、考えがまとまらない今、やられるのはきつかったが…


敵の威力はない。


強い力を持っている感じはするのに、倒すという気迫が感じられなかった。


戦いたくない、こいつはそう思っているのかもしれない。


それでも向かってくる。


向かってこなければならない。


魔法はお互い威力が出ず、結局剣のうち合いになった。


そうなると俺の方が有利だ。


魔力を自分の剣に流しているのか、なんとか持ちこたえてはいるが、男の俺の方が力が強い。


とうとう剣を手放してしまい、倒れた。


敵の喉に剣先を向ける。


こいつの名前だろうか?


焦った声で呼ぶのがきこえた。


だけど間に合わない。


俺が力を入れればすぐに終了だ。


…俺はこいつを消すのか?


同じ魔女をか?


仕方、ないのか。


それが決まりだ…


剣を持つ右腕を引き、思い切り前に突き出した。




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