紅蒼ノ魔女(仮)
「悪いけど。

選択肢はあっても、選択権はあってないようなものだから。」



数秒睨み合った後、先にレオラが視線を逸らした。



「結局私は選べないということなのです。

ならば答えは決まっているのです。」



はぁ、と盛大に溜め息をついた。


だけどその表情から嫌そうな気持ちは読み取れなかった。



「ありがとう、レオラ。」


「礼を言われるようなことではないのです。

私は蒼魔女様に着いていくだけなのですから。」



そっぽを向いたレオラの頬が赤くなっていることに気付き、笑みをもらした……セオが見え、僕はプッと吹いてしまった。


クルには変な目で見られたが気にしない。


にっこりと黒…優しい笑みを送ってあげた。



「さて。」



仲間が増えた。


だったらもっと、早く終わらせられる。


それぞれの力を、それぞれが思う何かの為に。


思い切り、ぶつけてもらおうじゃないか。



「戦争を止めるために。

戦いを再開しよう。」



よし、魔弾の準備ー。


蹴散らす為にはやはり連弾が一番だ。


魔力を放ちまくろう。


大きめの銃に変形させ、銃を構える。


重さは感じない、軽いけど威力は抜群、が売りの銃だ。


売ってはないが。


あ、撃っては…いや、やめておこう。


一人心の中で話をしながら集中力を高め、撃つ準備が完了。


いくか。


と、思ったのをセオに止められた。



「カイヒ様は頂方を。

ここは私達にお任せ下さい。」


「…その頂方は?」


「予想ですが、既に式場に向かっているはずです。」



それはとても、かなりヤバい状況なのでは?



「いつの間に…」


「ほぼ最初からいなかったぞ。」



クルが平然と言ってのける。



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