紅蒼ノ魔女(仮)
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___________
「精一杯走っているのに、全然速くない気がするよ。」
セオ達にあの場を任せてから大分走ったと思う。
なのに、道のほとんどが登り坂で進んでいる気がしない。
気持ちは前に向かっているのに、足がそれについていけてないのだ。
「むず痒い…」
なんとか速くできないか、と考えながらも足を動かし続ける。
「カイヒ!」
「トラ!
一体今までどこにいたんだ?」
「教会の方に行っていたのよ。
…私が着いた時にはまだ頂達は来ていなかったわ。
だけどさすがにもう…」
着いているって訳か。
くそっ、もっとスピードを出せ。
速く、速く。
守りたい、大切な人達がいるあの場所へと。
ただひたすらに前だけを見て走った。
_________
___________
コンコンッ
「はい。」
「大変長らくお待たせ致しました。
式場の方へお願い致します。」
「…わかりました。」
嫌な気持ちを表情に出さないように、重たい腰をあげる。
トラブルがあったならそのまま潰れてくれれば良かったと思う。
それに何故だろうか。
トラブルの内容は明らかにされていないようだ。
つまりは…
「魔女絡みってことか。」
もしかしてあいつも…?
いや、それはないだろう。
ないと願いたい。
あいつと敵対なんかはしたくない。
「サイリ様!」
真っ白なドレスを着て俺に向かってくる。
「シュリア。」
「やっとですわ!
やっと私達の愛を誓えるのですね!!」
お前と愛を誓う気はない。
そう言いたい気持ちを我慢する。
今ここで言ってはダメだ。
シュリアの言ったことは無視し、式場に向かった。
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「精一杯走っているのに、全然速くない気がするよ。」
セオ達にあの場を任せてから大分走ったと思う。
なのに、道のほとんどが登り坂で進んでいる気がしない。
気持ちは前に向かっているのに、足がそれについていけてないのだ。
「むず痒い…」
なんとか速くできないか、と考えながらも足を動かし続ける。
「カイヒ!」
「トラ!
一体今までどこにいたんだ?」
「教会の方に行っていたのよ。
…私が着いた時にはまだ頂達は来ていなかったわ。
だけどさすがにもう…」
着いているって訳か。
くそっ、もっとスピードを出せ。
速く、速く。
守りたい、大切な人達がいるあの場所へと。
ただひたすらに前だけを見て走った。
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コンコンッ
「はい。」
「大変長らくお待たせ致しました。
式場の方へお願い致します。」
「…わかりました。」
嫌な気持ちを表情に出さないように、重たい腰をあげる。
トラブルがあったならそのまま潰れてくれれば良かったと思う。
それに何故だろうか。
トラブルの内容は明らかにされていないようだ。
つまりは…
「魔女絡みってことか。」
もしかしてあいつも…?
いや、それはないだろう。
ないと願いたい。
あいつと敵対なんかはしたくない。
「サイリ様!」
真っ白なドレスを着て俺に向かってくる。
「シュリア。」
「やっとですわ!
やっと私達の愛を誓えるのですね!!」
お前と愛を誓う気はない。
そう言いたい気持ちを我慢する。
今ここで言ってはダメだ。
シュリアの言ったことは無視し、式場に向かった。