紅蒼ノ魔女(仮)
「そんなものが効くと思っているのか?」
迫ってくるナイフをいとも簡単に交わす魔女。
その動きは見惚れるほど鮮やかだった、とまったくこのシーンに合わないことを思ってしまった。
攻撃を交わされ、そのまま地面に身体を打ち付けたシュリア。
誰もが魔女という自分達とは違った生き物を前にし、恐怖に震えている。
俺の親族はともかく、シュリアの親族までも、座り込んだままのシュリアに駆け寄る者はいなかった。
なんと情けないことか、と思うだけ思う俺が言えることでもないが。
そんな中たった一人だけ、空気を読まずにシュリアに近付く者がいた。
「姉さん…!」
まさかそれが自分の姉で、しかもこの中で一番シュリアを嫌っている人物だとは面白いこともあるものだ。
……さすがにそんなことも言ってられず、息をのんだ。
いくら何かを知っている姉さんでも、この魔女を味方につけているわけではないだろう。
もしそうだとしたら、俺達の敵になってしまう。
「何かしら、お姉様?」
「貴方の姉になった覚えはないわ。
愛は誓えてないもの。」
姉さんはふふっと嘲笑った。
それは事実であり、シュリアも言い返すことができず、悔しそうな表情をしていた。
姉さんは魔女の方へ向き直り、さて、と言葉を続けた。
「魔女のお二方。
貴方達の目的は私の弟とこれ…失礼しました。シュリアの結婚をさせないことですよね?」
魔女は口を開かない。
「だったら、目的は達成しましたよね。
なので…お帰り願いたいのですが。」
とても綺麗な笑顔を浮かべた姉さんが言った。
…本当に怖いもの知らずだと思った。
迫ってくるナイフをいとも簡単に交わす魔女。
その動きは見惚れるほど鮮やかだった、とまったくこのシーンに合わないことを思ってしまった。
攻撃を交わされ、そのまま地面に身体を打ち付けたシュリア。
誰もが魔女という自分達とは違った生き物を前にし、恐怖に震えている。
俺の親族はともかく、シュリアの親族までも、座り込んだままのシュリアに駆け寄る者はいなかった。
なんと情けないことか、と思うだけ思う俺が言えることでもないが。
そんな中たった一人だけ、空気を読まずにシュリアに近付く者がいた。
「姉さん…!」
まさかそれが自分の姉で、しかもこの中で一番シュリアを嫌っている人物だとは面白いこともあるものだ。
……さすがにそんなことも言ってられず、息をのんだ。
いくら何かを知っている姉さんでも、この魔女を味方につけているわけではないだろう。
もしそうだとしたら、俺達の敵になってしまう。
「何かしら、お姉様?」
「貴方の姉になった覚えはないわ。
愛は誓えてないもの。」
姉さんはふふっと嘲笑った。
それは事実であり、シュリアも言い返すことができず、悔しそうな表情をしていた。
姉さんは魔女の方へ向き直り、さて、と言葉を続けた。
「魔女のお二方。
貴方達の目的は私の弟とこれ…失礼しました。シュリアの結婚をさせないことですよね?」
魔女は口を開かない。
「だったら、目的は達成しましたよね。
なので…お帰り願いたいのですが。」
とても綺麗な笑顔を浮かべた姉さんが言った。
…本当に怖いもの知らずだと思った。