紅蒼ノ魔女(仮)
「それで、彼女が…」


「カイヒ・コトヒラです。」



少しだけ頭を下げた。


お辞儀、ともとれる行為だが実際は名前を言った時の反応を見るのが嫌だった。


変な目で見られるのはごめんだ。



「カイヒさんね。

リーシィのお友達かしら。」


「娘と仲良くしてやってくれ。」



いい感じの雰囲気を出されて顔をあげた。


サイリは無言たけど嫌な感じは出していなかった。


心配はいらなかったみたい。


…一人以外は。



「変な名前ね。」



クスクスと馬鹿にしたような笑い方。


それは噂のシュリアの笑いだった。



「その言い方失礼だと思うけど。」


「あら、思ったことをそのまま口にしただけよ。」



またまた火花が…


自分の目で見てわかったけど、ホントに仲が悪いんだな。


まぁ僕も苦手なタイプだから人のことは言えないけどね。



「君からしたらそう思うかもね。

だけど僕はこの名前が好きだから。

そういう風に言わないでもらえるかな?」



と言ってから気付いた。


言葉遣いそのままにしちゃった。


何か言われるかな。



「何よ、その話し方!

名前が変ならば育ちもダメってことかしらね!」


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