紅蒼ノ魔女(仮)
「水雷弾!」




水に雷が纏われ、弾けている。



綺麗、と言ってもおかしくはない。



……なんて簡単に言ってみるが、当たった時の威力はかなりのものだろう。




「こんなもの……!」




攻撃はうまく交わされた。



だけど。




「無駄だよ。」




僕のイメージしたものはこんなものじゃない。



確実に当たる、それ以外の選択肢はないのだから。





「何っ!?」




例え避けられたって、狙い続ける。



的が動くなら弾だって自由自在に動かそう。




「それは僕が放った魔弾だ。

僕がやめない限り、追いかけ続けるよ。」



「だったらやめさせればいい!」




蒼魔女のその言葉の後に大きな氷が凄いスピードで放たれた。




「カイヒ!」




僕の名前を呼ぶのはサイリ。



……大丈夫だよ。




何故だろう、今のぼくはとても落ち着いている。



もちろん、怒り感情はある。



だけどそれに支配されず、しっかりと魔法を使いこなせている。




「君の魔法は、僕には届かないよ。」




氷は僕のところまで来ずに、溶けて水となった。




「ほらね。」




今ならどんな攻撃もきかない。



そんな気がするんだ。



そばにいる。



それが僕に力を与える。



こんな感情は初めてだけど、心地よいものだ。




「なんか、うずうずしてきたかも。」




あぁ、落ち着いている、というのは嘘かもしれない。



こんな状況なのに自分らしくいられてるんだ。



まぁ、何にしても。



この力はとても大きいものだ。



だから、大丈夫。














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