紅蒼ノ魔女(仮)
あれ?


間違ってないよね?



「それにトラは役目って言った。

これは僕がやるべきことなんだよ。」



戦争…戦い…


うーん、スリル満点だ。



「あたしから言ったのにこう言うのも変だけど。

本当にいいの?

死ぬ、かもしれないわよ?」


「うわー、そんなに激しいんだ。

だったら尚更参加しなきゃ。」



痛いのは好きじゃないし、傷をつくるのもできれば避けたい。


だけど。



「覚えておきなよ、トラ。

僕は面白そうならどんどん突っ込んでいく。

それが危険な道でも。」



ニヤッと笑ってやった。


僕の表情を見て一瞬びっくりしていたが呆れたような笑った。



「あんた馬鹿でしょ。」


「ほめ言葉をありがとう。」




_________
___________



「カイヒ!」



さっき操られていた時に見た道を辿って大通りに出ると丁度リーシィと会った。



「やぁ、リーシィ。

挨拶はし終わったの?」



何事もなかったように聞くと彼女のおでこあたりに怒りマークができた。



「どこに行っていたの!

心配したんだから!」


「うん、ちょっと。

面白そうなものを見つけて。」


「呼びかけても返事をしないまま歩いていってしまったって。

それを聞いてびっくりしたんだから。」


「…ごめん。

でもホント何もなかったから。」



安心させるように言うと落ち着きを取り戻してくれたようだ。



「とりあえず、カイヒは勝手に楽しんでくれたようだから城に帰りましょうか。」



棘の刺さった言葉を受けながら城に帰った。


馬車の中でも僕は言われっぱなしで言い返そうとしたが止めた。


…この国の姫は恐ろしい。



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