紅蒼ノ魔女(仮)
「俺は言われた通りにするだけだ。」



ほらね。


あの天然な両親をもっているんだから結婚相手なんて自分で選べそうなのに。


本当にどうでもいいのか、それとも彼女と結婚しなくてはならない理由があるのか。


なんでだろう。


前者のような気がしてしまう。


まぁ何にしても。



「自分の意志を持つことは大事だよ。」



これは僕なりの優しさで忠告だ。



「まぁこんなこと言っても、結婚式自体潰れるかもしれないし。

いや、僕が潰すかもしれない。」


「どういう事だ?」



何が言いたいのかわからない、といった表情。



「あぁでも延期になるだけなのかな。」



だとしたらシュリアの幸せ場面を見れないかもしれないんだ。


うーん。



「君次第ではこの結果が変わることになるかもね。

…1ヶ月後が楽しみだ。」



にっこりと笑顔を浮かべてバルコニーを出た。


戦争と結婚式が同じ日。


ついでに場所もかぶってしまえばいいんだよね。


そして僕が戦争を止められなかったら。


止めなかったら。


どんな結末が待っているのかな?


…やってみたいことは沢山あるけど。


結局はこれを基準にして決めるんだよね。



「面白い、はどこにある?」



歌うように声に出して部屋に向かった。


今ならなんだか眠れそうだ。



< 34 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop