紅蒼ノ魔女(仮)
「それより他に心配をすることがあると僕は思うんだけど。」


「貴方が自分の為にこの国を戦争に巻き込もうとしていること以外に何かあるの?」



さっきとは心配することが変わってるよね。


まったく、切り替えが早いんだから。


でも、僕のことを少しはわかっているようだ。



「巻き込むことになってしまうかもってだけでまだ決まった訳じゃないよ。」



その辺りはちゃんとトラに聞いておかないと。



「…君は、弟の結婚式のことを心配するべきではないのか?」



数秒の沈黙の後、リーシィは笑い出した。


今の言葉でそんなに笑う部分があっただろうか?


「何言ってるのよ、カイヒ!」



君は何笑ってるんだい?



「私はサイリとあの女が結婚することを反対してるのよ?

潰してしまったって問題ないわ。

むしろその方が好都合よ!」



政略結婚だから何とも言えないけど、恋愛結婚だったなら…


こんなこと言う姉はブラコンで最低な姉だと思う。



「あぁ、でもそれでは期日が延びてしまうだけかしら。

でもその日までにサイリに本命ができてしまえば…」



やっぱり最低な姉だ。



「まぁいいや。

で、なんだかんだで僕は魔法の練習とかしなきゃいけないから、出かけたりすると思う。」


「そう。

基本的に自由に過ごしてていいから。

私にも一応姫の仕事があるし。」


「うん、わかった。」



午後は城にある書庫に行ってみようかな。


魔女の事を少し調べてみよう。



「じゃあ私は行くわね。」


「うん。

あ、そうだ。

シュリアっていつ帰るの?」



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