紅蒼ノ魔女(仮)
そこに行けば人に会えるかな。


この世界に人がいるのかどうかもわからないけどね。


すると後ろから足音が聞こえた。


さてさて、人間か、はたまた動物か。


振り返ってみると一人の人間が座り込んでいた。


それも身体を震わせ、こちらを見て怯えながら。


僕以外誰もいないし、何もないから僕を見て怯えてるってこと?


できればこんな状態の人には話しかけたくはないけど、困ってるししょうがない。



「あの、」


「ひっ!」


うわぁ、あからさまだな…


どうしよう。


やっぱり街に行って聞こうかな。


そう思って一歩ふみだそうとした。


だけどそこにいる人が何か言葉を発しようとしたので止めた。



「まっ…」


「ま?」


「魔女だぁー!!」



そう言うとすぐさま背中につけていた矢を空に放った。


矢は一番高く上がったところで赤くはじけて大きな音をあげた。


その音は結構耳に響いた。


< 4 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop