紅蒼ノ魔女(仮)
「あんたの瞳の色は変化はしないのかしら?」



…え?


えっと鏡、鏡。


リーシィに持たされている鏡を取り出し、顔の前へ持ってくる。



「ねぇ、トラ。」


「何よ。」


「何故僕の瞳は茶色のままなんの?」


「本気で言ってるなら殴るわよ。」



猫パンチ…じゃなくてトラパンチがとんでくるのだろう。


まぁ冗談はさておき、もう一度髪を耳にかけ、イヤリングを出す。


髪が紅色にかわったことを確認してから鏡で自分を見た。



「茶色のままだね。」



どうしてだろう。


本当は髪と瞳の色が変化するんだよね。


この世界の者ではないからそれが関係してるのかも。



「よくわかんないけど魔法はちゃんとつかえてるし、魔力だってあるんだから気にすることないんじゃないかな。」


「それもそうね。

引き止めて悪かったわ。

また会いましょ。」



トラは走って去って行った。


今度っていつだろう?


連絡は…


あ。



「また連絡手段聞きそびれた。」



_________
___________


城に戻り部屋までの道を歩いているとリーシィと出会った。



「お帰りなさい。

修行しに行ってたのよね。

どうだったの?」


「どこからその情報を得た?」



僕は今日やるとは言ってなかったはずだ。



「裏門で番をしていた者達によ。

森に用があるって出て行ったみたいだったからそうじゃないかなと思ったの。」



さすが頭が切れる。



「とりあえずとくに大変なことはなさそうだよ。

ただ自分の瞳の色が変化しないことにびっくりした。」


「あら、気付いてなかったのね。」



と知ってたという表情をするリーシィ。



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