紅蒼ノ魔女(仮)
「そ、そうでしたか!

いえ、わかってはいたんですよ!」


「そうですよ!

カイヒ様があまりにも真剣に言うものですから!」



冷や汗を垂らしながら苦笑いを浮かべる二人。


別に怒ってないのになー。


その証拠に“笑顔”を浮かべたのに。


伝わらなかったのかなー?


あははははっ。



「では気を付けて行ってらっしゃいませ!」



門が開く。


話をそらした門番達。


…後でリーシィにちくってやろう。



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___________


足音をたてないようにゆっくりと進んでいく。


わざと魔力を垂れ流して魔女を呼び寄せようとしているのかもしれないから。


どこから、誰が襲ってくるかわからないこの状況での油断は大敵だ。


できれば穏便に済ませたい。


あっ、でも戦いもしたいなぁ。


ほら、実践をつむのは悪いことではないと思うでしょ。


都合のいいように考える。



「もう少し。」



更に奥に進む。


ここからでは完全に城は見えない。


と、そこで感じたことのある気配を魔力と共に読み取る。


これは…



「なるほど、ね。」



そういうことか。


割と記憶力には自信があるからな。


謎が解けた。


いや、正直今思い出したんだけどね。


だってそこまで気にしていなかったし。


まぁわからなかった時よりはいいだろう。


色々使えるかもしれない。



ガサッ



後ろから草が揺れる音がしたので、はっとなり振り返る。


だがそれは少し遅かったようだ。


油断、した。



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