紅蒼ノ魔女(仮)
「シュリア…様に持っていったドレスだよ。

最初は紅、次は橙。」



その次はあったかどうか知らないけど、おそらく。



「それから今度は蒼とか翠とか持っていったんじゃないの?」



目の前にいる橙魔女は口を閉ざす。


図星みたいだ。



「シュリア様って魔女のこと嫌ってるからね。

それを知っていてわざと持っていったのかな?」


「そうだとしたら?」


「うーん…

とりあえずそんなわかりやすい行動はやめた方がいいね。

自分は魔女だ、とバラしてるようなものだよ。」



わざわざ殺されに行くことになる。


そこまで馬鹿ではないと思うけどさ。



「何故それをお前に言われなければならない?」


怒りが伝わってくる。


本当にシュリアを嫌っているようだ。


人間事態をを嫌っているのかもしれないが、そんな感じはあまりしない。


そのことに驚き、つい質問してしまった。



「君は人間が嫌いなのかな?」


「……当たり前だ。

人間は私達を消そうとする。」



少しの沈黙には彼女の迷いが表れていた。


優しい子なのかもね。



「まぁ、悪いけど城には連れて帰るから。」



今ここで放っておいたらシュリアが狙われるかもしれない。


別ににそこまで気にしてはいないんだが、殺しには賛成できないから。


ないとは思うけど一応ね。


それに人手がどれくらいあるのか僕にはわかっていないから、ここで彼女がいなくなって足りない!とかなっても困るし。



「じゃあ行こうか。」



振り向こうとした瞬間。


首に刃があてられる。



「あらら、起きてたんだ。」



それはさっき気絶させた二人の橙魔女の仕業。



「セオリー様、大丈夫ですか!?」



叫んだ片方の橙魔女がセオリーと呼ばれた者の方へ走っていく。


もう一人は僕の首に刃をあてたまま動かない。


少しだけ押し付けられた。



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