紅蒼ノ魔女(仮)
「紅魔女、様っ…!!」



驚きの中でなんとか言葉を紡ぐセオ。



「やぁ。

初めまして、橙魔女さん達。」



最初は自己紹介をするべきかな。


なんて言おう?



「カイヒ・コトヒラ。

紅魔女だよ。」


「カイヒ様!」



三人は焦ったように膝を地につけ、頭を下げた。



「申し訳ありません!

知らなかったとはいえ、今までのご無礼をどうお詫びすれば…!」



シナが謝ってくる。


まぁ僕殺されかけたからね。


一応、君達よりは上にいる者だけど。


でもシナが言うように知らなかった訳だし。



「別に気にしてないよ。」



教えてたら攻撃も受けられなかったわけだし。


ってか自ら受けにいったようなもんだから、僕。


しかし、そういうふうに言われるとは思っていなかったのか。



「紅魔女様にしては珍しいタイプですねー。

容赦なく罰を与える者しかいないと思っていたのに。」


「ユラハ!」



セオが叱る。


だが怒られた張本人はそっぽを向いていた。



「随分とはっきり言うね。」


「誠に申し訳ありません!

何度も何度も。」


「だから気にしないでってば。

君達は上下関係をしっかりと守っているのかもしれないが、僕からしたらどうだっていいんだから。」



ってかどちらかというと一々僕の言葉に驚くことが失礼だよね。


紅魔女はそんなにヒドいのか。



「あの…

カイヒ様はどうして城なんかに…?」


「あぁ…」



魔女だとバレたら大変なことになるもんね。


にしてもまたこのパターンか。


説明しづらいというか、できないんだよね。



「いやー、まぁなんというか…

色々あったんだよ。」



うん、うんと一人で頷いてごまかしてみる。



「でもリーシィは知ってるよ。

僕が魔女だってこと。」



「リーシィ様が?」



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