紅蒼ノ魔女(仮)
「はい。

私のことを人間に従う魔女、と思っているようですから。」



ならばバラさないでおこう。


後のために。



「君は翠魔女さんなんだよね?」



レオラの方を向き、問いかける。



「そうですが、それが何か?」


「なら紅魔女と橙魔女の敵って訳だ。」


「何が言いたいのか、私にはわからないのです。」


「さっさと自分の居場所に帰った方がいいよ。」


「は?」


「君はセオには勝てない。」


「私が彼女に劣っていると言いたいのですか?」


「うん、そうだよ。」



はっきりと伝える。


その態度にレオラは更にイライラが募ったようだ。



「私がこんな弱い魔女に負ける訳はないのです。」


「そうかな?

君よりセオの方が何倍も強いと思うよ。」


「カイヒ様!」



セオがこの挑発を止めようとしてくるが、無視。


そして最後に一言。



「ガキはさっさと帰りなさい。」



レオラの怒りが爆発した。



「人間風情が、誰にものを言っているのかわかっているのでしょうか?

その口、潰してやるのです。」



キレさせてしまった。


いや、キレさせた。



「ほらほら、セオ。

さっさと勝ってきてよ。」



手でひらひらと促す。



「しかし、カイヒ様!」


「僕なら大丈夫だよ。

あのぐらいの攻撃なら、簡単によけられるから。」


「ただの人間がほざき過ぎなのです。

火の竜巻、火渦流炎!」



やられた時よりも遥かに強そうな炎がこちらに向かってくる。



「まったく、危ないなぁ。」



それをひょろりとかわした。



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