紅蒼ノ魔女(仮)
「貴方は…馬鹿、なのです…」


「ありがとう。

最高のほめ言葉だよ。」



それをきいてレオラは意識を失った。



「セオ。」


「はい。」


「よくやった。

本当はすぐに休ませてあげたいんだけど…」


「わかっています。

彼女を安全な場所に運んできます。」


「さすが、セオだ。

僕はリーシィのところに行っているから、後から来てくれるかな。

事情を説明しておく。」


「承知いたしました。」



セオはレオラを抱えると、割れてしまった窓から外に出て行った。



「さて…」



説明しておくって言ってもな、なんと言おうか?


魔女が襲ってきて、戦っていたらこんなになりました、とは言えないからな。


シュリアに爆発されても困るし。


いっそのこと何も知らないふりで…はさすがに無理だよね。



「ま、なんとかなるか。」



そして僕はゆっくりと歩き出した。




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___________


「申し訳ありません。

遅くなりました。」


「まったく、本当にね。

一体何処で何をしていたのかしら?」


「色々とありまして。」


「まぁ、いいわ。」



シュリアは相変わらずサイリにベッタリだった。


彼の腕に自分の腕を絡ませている。


そんなシュリアを見てイライラを抑えるリーシィも、無表情でいるサイリも何も変わった様子はない。


さっきの出来事は誰にも伝わっていない。


そのうち気付いた誰かが知らせにくるだろう。


結局僕は話さないことにした。


リーシィにだけは後からこっそり説明するつもりだ。



「それで、そちらは…」



見たこのない…おそらくシュリアの父が話しかけてきた。



「ご挨拶が遅れました。

リーシィの城でお世話になっているカイヒ・コトヒラといいます。」


「リーシィさんのご友人ね?

まぁ随分と普通の人ね。」


「お母様、そんなはっきりと言ってはダメよ。」


「あら、ごめんなさい。」



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