紅蒼ノ魔女(仮)
「あ、美味しい。」



一向に話し出さないサイリに不思議に思いながらも、料理は口の中へ運ぶ。


なんだろう、この料理は?


日本にはなかったな。


というよりロトニだけの食べ物なのかなー?


なんて考えているとやっとサイリが口を開いた。



「お前は…」



とそれだけ言ってまた口を閉ざす。


さすがに少しイライラしてきたかも。



「言いたいことははっきり言わないとね。

じゃないと女子にモテないよ?」



最後はふざけて言ってみた。



「お前に聞きたいことがある。」



なるほど、完璧スルーって方向ですね。


まぁいいや。



「お前は馬鹿か?」


「……はっ?」



いや、確かに馬鹿だと思われても仕方のないことを沢山したけど。


わざわざ部屋にまで聞きたかったことって、それですか?



「えーっと、うんまぁ馬鹿かもしれないけど…」



?マークを浮かべながらも質問に答えると。



「一国の王女と姫にあんな態度をとったらどんな罰を与えられるのかわからない。

そのことをお前は理解しているのか?」



あぁ…


さっきのことか。



「理解してない訳じゃないよ、多分。

ただ僕自身上下関係を気にしていないからね。」



さすがにヤバいと思う時は抑えるけど、それ以外はだいたい本心をぶつけている。


というか勝手に言葉が出てしまうのだ。



「誰が自分の上であるべきか、僕は自分で判断する。」



当然シュリアは僕の上に立つ者ではない。


その母親も。


オニア様は違うけど。



「なら姉さんは?」


「リーシィ?」



そうだな、リーシィは…



「友達だよ。」


「はっ?」


「だから友達。

それ以上でも以下でもないかな。」



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