紅蒼ノ魔女(仮)
まぶたを伏せ、数秒。


最初の頃の、異常な力を自分の中に感じた。


最近はこの力をうまく使えない。


慣れすぎてしまったのだろうか?


慣れとは危険なものだ。


すぐに油断を生じさせる。



「………」



見つけた。


そう思った時には攻撃に移られた。


だが避けることはしなかった。



「避けないのか?」


「君こそ、何故消さない?」



すぐ後ろできこえる声。


それは紛れもなく、蒼魔者のもの。


だが奴は魔女らしかぬ行動を見せた。



「君は強いけど、弱いね。」



セオに似ていると思った。


だけど、そう感じたのは一瞬。


彼はちゃんと魔女だった。



「お前は何者だ?」



首にあてられた剣。


それは、答えによっては消す、と囁いている気がした。


きっとそれは気のせいではない。



「……」


「答えろ。」


「人だ。

僕は人。」


「馬鹿にしてるのか?」



まぁ、君は馬鹿だからね。


そういえばこの蒼魔者もキャラかわってるよね。


うわぁ、パクられた。



「してないよ。

馬鹿だとは思ってるけど。」



そう言って、肘うちを腹に決めてやる。



「……っ!!」



あら?


思ったよりも力が入ってしまったみたいだ。


痛そうな顔をしていて、なんだか可哀想に思えた。


やったの僕だけどね。



「ゴメンナサイ、大丈夫?」



一応謝ってみた。


心をこめずに。


しかも距離をとりながら。



「お前、本当に何者だ?」


「だから人だって。

魔女を敵と思っていない人。」



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