いちごな3人の女の子の物語

「ったく…ホントにガキなんだから」


私はボールをドリブルしながら呆れた口調で言った。


「てか暑くね?今日」

「…突然話題変えたねぇ」

「は?暑くねーの?」


私の発言は無視かよ。

心の中でツッコミを入れ、ドリブルを再開する。


「暑いけどさぁ、しょーがないじゃん。夏だもん」

「知ってるわ!8月だし、俺ら、最後の部活の夏だろ?」


俊吾に言われて私はハッとした。


そうだった。

私たち2年生にとっては、来年はもう受験生だから、これが最後の夏なんだよね。


「もしかして、気付いてなかったとか?早紀どんだけアホ?」

「うっさいわタコ!!」

「は?何でタコ?」


いつもの口論が始まった私たち。


するとリズミカルにドリブルしていた私の手から、ボールが消えた。

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