二つの恋
女子トイレの掃除は今日はなかった。
「凛ちゃん?居る?」
私は大きな声で呼んだ。
『グスッ…。グスッ…。ふぇっ…。桜ちゃん?』
「凛ちゃん!」
凛ちゃんはトイレのすみっこで泣いていた。
「凛ちゃんごめんなさい!私ばかだった!友達の告白見るなんて最低だよね。」
『いいの。これはフラれた悲しみなの。
別に怒ってないよ』
「凛ちゃんってめっちゃいい友達!」
『それであの二人とはどうなったの?』
凛ちゃんは目をキラキラさせて聞いてきた。
「実はあの二人とずっと一緒に居るって決めたの」
私は答えた。

『良かったね!ずっと応援する!二人と喧嘩したら私が慰めてあげる!』
凛ちゃんはとっても嬉しそうな声でわたしに言ってくれた。
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