【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
▼大切な贈物
「零~……」
ダルい身体。
凍えるような寒さを訴える身体。
「38.9度。完璧風邪ですね」
呆れたような、困ったようにため息をつく零。
それも仕方ない。
昨日、家に向かい始めたのが23時。
あげく道に迷ってしまたのだ。
寒い中、コート一枚で。
これじゃ、せっかくの零の誕生日が台無し。
平丸シェフに、ケーキを一緒に作る約束をしていた。
それはもちろん駄目。
メイドたちと、パーティーの飾りつけをする約束もしていた。
それももちろん駄目。
ごめん……
ごめん、零。