【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
後から小走りでついてきた零に、ドアを開けてもらう。
「………っ!」
いるはずのない" あの人 "の姿が目に入り、私の身体は硬直した。
がくがくと震える足。
どくどくと脈打つ心臓。
なんで…なんで……何で…
「…零、ご苦労だったね」
べったりと張り付くような口調で言った" あの人 "に、ぺこりと腰を曲げた零。
息が吸えない……
ここから今すぐ逃げ出したい。
零。私たち今からデートするんでしょう?
なんで……?
なんで、そんな顔してるの?
悲しい顔してるのよ……
「朱里…」