【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。



名前を呼ばれ寒気がする。


黙ったまま睨んでいると、またねっとりと" あの人 "は話し始めた。


「久しぶりなんだから…お父様って呼んでおくれよ、俺の可愛い朱里」


「誰が…誰がアンタのことなんか…っ」



目の前に座る戸籍上だけのお父様。

あくまで、戸籍上だけ……


父親らしいことは、ひとつもしてもらったことはないし。


お母様は、お父様のせいで死んだ。



許せない……。

今更、何だって言うの?



「そんなこと言わないでくれよ…なぁ?」


「私は、アンタのこと…父親だと思ったことは1回もないわっ! 今更、父親面しないで!」




もう嫌……


零、零、零。


この場から、早く連れ出して。







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