【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。



.+・* あのときの零ちゃん Ⅺ *・+.


【言い出せなかったこと】


今日は、お嬢様とのデートの日。

用意をしていると、携帯が鳴った。


お嬢様のお父様。豊様からでした。



『今日、家に向かう。朱里と会いたい』



そう仰られていました。


迎えに行ったときに言おうと思ったのですが、

どこか浮かれ……

楽しそうに頬を緩めるお嬢様を見ていたら言い出せませんでした。


私は、執事失格です。



豊様との対面に、ヒステリックに叫ぶお嬢様。


見てるのが痛々しくて…
抱きしめてあげたかった。


でも、それは出来ないのです。


申し訳ございません。



……朱里様。






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