【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
高級住宅地に、聳え立つ…
無駄に大きな屋敷。
家に足を踏み入れる。
家は嫌な空気がまとわりついたように暗い。
あの人がまだここにいると思ったら、震えが止まらなかった。
「お嬢様っ!!」
そう呼んだのは、零じゃなくて亜美。
頭の上で結んだ髪を揺らしながら、こっちにかけてくる。
「今までどこにいらしたのですか!?」
いつもと違う亜美に戸惑う。
こんなにハッキリ話す人だったかしら?
「友達の所よ」
不自然に思いながらも返すと、
「もう…っ心配したんですよ」
そう顔色ひとつ変えずに言った亜美。
目は一ミリも心配そうじゃない。
嘘をついてると、直感で分かった。