【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
思ってもないこと、言う人って最低。
「あらそう。お父様に話をつけに来ただけだから、ほっといて」
「…お嬢様っ!!」
そう呼ぶ亜美を冷たく振り切って、お父様の部屋へ向かう。
途中で零に会えたりするかもしれない。
そんな淡い期待は脆く崩れた。
あたしの目の前には、お父様の大きな部屋のドア。
ゆっくり開けると、視界に入ってきたのはソファーに豪快にすわるあの人と……
すっと寄り添う零。
「朱里……来る頃だと思っていたよ」
身体に張り付いた恐怖。
大丈夫、
ただの女たらしの男よ。
そう何度も何度も自分に言い聞かせる。