【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
*一生の御願
色々な機械に囲まれ、白いベッドに横たわる零。
遠くで見ていても痛々しかった。
こうなるのは……
あたしだったはずなのに。
静かに室内へと入って、ベッドの横に置いてあるパイプ椅子に座り、零の右手を握りしめる。
零の手はちゃんと温かくて……
ほっとした。
大きくて綺麗な手。
でも、ごつごつしてて……
そこがまた男らしくてたくましい。
横たわる零は、眠っているのかのように安らかな表情をしていた。
「零……あたし、零が死んだらどうすればいいの? 」
当たり前だけど、零からは返事はない。
虚しい音が響くだけ。