【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
そっと唇から離すと、零がうっすら目を開いていた。
「しゅ…り様……」
小さく掠れたように呟かれる名前。
「…~~~っ!!!」
あたしは、声にならないくらい泣いた。
いろんな感情が心の中からあふれ出して…
涙になって溢れた。
そんなあたしの頭を優しく撫でてくれる零。
「泣き虫ですね……」
弱々しいけど、いつもみたいな意地悪で妖艶で…いやらしい笑み。
「やらしいわよ……」
泣きながら、少し笑う。
いつもの零……
あたしのもとに戻ってきてくれた。