【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
「只今帰ってきました、お嬢様」
妖艶な零の笑顔。
零……
「零………っ!!」
あたしは、零に飛びついて思いっきり抱きしめる。
病院ではいつも看護師さんとか、誰かしらいるから…こんなことすら出来なかった。
零の温もり……
久しぶりに心から落ち着く。
「人前でイチャつくなよ~、朱里!!」
後から入ってきたお父様に、頭を軽く小突かれて慌てて零から離れる。
「やるなら、部屋でやれ」
そうお父様は笑った。
憎かっただけのお父様。
一日一日過ごしていくうちに好きになる。
あのこと日のことは、忘れることにした。
やっぱり親子は親子だから。
たった一人の身内だから。