【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。



使用人の人たちも、みんな嬉しそう。

温かい雰囲気が漂う中、あたしは思った。


当たり前に傍にいてくれた零は…
あたしだけじゃなく、たくさんの人に愛されているんだなって。


そんな中、お喋りに花を咲かせるお父様と結構いい年したメイドの一人。


零に寄り添ったまま、耳だけ傾けた。



『亜美ちゃん、薬乱用で死んじゃったらしいのよ!! 今朝、電話がありまして…遺体がどうのこうのって』



おばさん口調と敬語が混ざってて変なしゃべり方のメイドさん。


亜美が亡くなるのは、初めから見えていたことだから、変なところが気になってしまった。



「お嬢様?」



声と一緒に、とんっと肩に手が置かれる。

ふわっと零の香りがかおる。



「何?」



「部屋、行きません?」



そう意味ありげな笑顔を浮かべる零。

あたしは頷いて、2人並んで部屋へ向かった。




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