【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
「それ…片付け終わったら、買い物付き合ってくれてもいいわよ」
本当は可愛らしく『デートしよう』と言いたいのだけど、言えない。
上目を使って、ちらりと見ると……
零の胸元が目に入る。
あ……あたしがあげたネクタイ。
使ってくれてるんだ。
嬉しいような…
恥ずかしいような……
「買い物ですか?」
にっこりと孤を描く口元。
「ん……そうよ」
「素直にデートしたい…そうおっしゃえば何度でもして差し上げますのに」
あっという間に片付け終わった零は、クスクスと小さく笑いながら言った。
相変わらずで何よりね……