【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。



「それ…片付け終わったら、買い物付き合ってくれてもいいわよ」


本当は可愛らしく『デートしよう』と言いたいのだけど、言えない。


上目を使って、ちらりと見ると……

零の胸元が目に入る。


あ……あたしがあげたネクタイ。

使ってくれてるんだ。


嬉しいような…

恥ずかしいような……



「買い物ですか?」



にっこりと孤を描く口元。



「ん……そうよ」


「素直にデートしたい…そうおっしゃえば何度でもして差し上げますのに」



あっという間に片付け終わった零は、クスクスと小さく笑いながら言った。



相変わらずで何よりね……







< 162 / 202 >

この作品をシェア

pagetop