【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
*強引なキス
2人並んで、屋敷を出る。
車は使わずデートするのだ。
軽く巻いた髪に、花のカチューシャ。
お気に入りのワンピースに、
お気に入りのコート。
お気に入りのブーツ。
今日はお気に入り尽くし。
「お嬢様もちゃんとすれば、素敵ですね」
にこっと無邪気に笑う零。
零はというと……
堅苦しい黒のスーツ。
いつもと違う私服に期待しててから…
ちょっと、残念。
「いつもちゃんとしてるわ」
「嗚呼、そうですね」
いつも通りの空気が流れるあたしたちの間にはもどかしい距離。
ちょっと手を伸ばせば、零の大きな手。
繋ぎたいけど……
自分からは恥ずかしい…。