【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
「零も言うようになったじゃないか! 病み上がりめ♪」
お父様は楽しげに零に言い返す。
よく分からない2人を無視して、あたしはソファに座る。
あたしがくつろぎ始めると、お父様は席を立ち、零に何かを耳打ちして部屋を出て行った。
「じゃぁな、お二人さん」
零に負けないくらい、妖艶な笑みを浮かべながら。
詳しく言えば、平丸シェフも。
お父様の後ろにくっついて出て行ってしまった。
いったい何がしたかったのかしら?
「朱里様?」
アレコレ考え込むあたしは、零の声と温もりによって我に返る。
いつの間にか、隣に零が座っていたのだ。