【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
クスクスと笑い始めた零の顔を覗く。
今までで一番……
素敵な笑顔だ。
いやらしい笑みなんかじゃなく、もっとキラキラした爽やかな笑顔。
笑えるんじゃない。
「もちろんでございます。いつになるか分かりませんがね」
そう嫌味もついてきたが…
ま、聞かなかったことにしよう。
すっと零の手に包まれた左手。
まるで手品でもしたかのように…
小指には、シルバーのシンプルなリング。
「お嬢様をご予約します」
そう意味ありげな笑顔を浮かべる零の背中をバシンと叩く。
もちろん、照れ隠しで。