【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
*鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
「朱里様…お目覚めのお時間です」
朝からダルさひとつ感じない声。
「……ん~…もうちょっと」
あたしの目覚まし代わり。
五十嵐 零。
あたしの執事。
そして……
婚約者。
カーテンが全開に開けられて、太陽の眩しすぎる光が部屋を照らす。
それと同時に目を薄めることになった。
眩しいわよ……。
いつものようにそんなことを思いながら、目を擦り、ひとつあくびをする。
まだ寝たりない。
「二度寝はさせませんよ」
また布団に潜り込もうとするあたしの唇は零の唇によってふさがれた。
あ、朝からなんなの!!?
熱くなる顔を手でパタパタと冷ましながら、妖艶な笑みを浮かべる零を睨む。