【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
左手を零に握られると、婚約指輪がつけられた左手にキスが一つ落とされた。
私は、いい女になれただろうか?
まだまだだと思う。
だけどこれ以上、零を待たせるのも苦しい。
何より私が零と一緒になりたい。
「はい…今度こそよろしくお願いします」
零がいつもみたいな余裕たっぷりの笑みを浮かべる。
相変わらず憎たらしいけど、愛おしい方が大きい。
零のシナリオ通りにいくのが嫌だった学生時代。
嫌だったはずなのに、大好きになっていった懐かしい毎日。
ふと、レイの顔が浮かんだ。
レイに会いたいと思った。
今すぐ教えてあげたいと思ったんだ。
「愛してますよ、お嬢様?」
「うん、私も…愛してる」