【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
▼憂鬱な起床
「お嬢様…お目覚めの時間ですよ」
朝からダルさひとつ感じない声。
甘ったるく、甘美に響き渡る。
五十嵐 零。私の執事。
彼がいるから、目覚まし時計なんかいらない。
寝坊をすることもない。
サッとカーテンが全開に開けられて、鬱陶しいくらい眩しい太陽が部屋を照らす。
それと同時に目を薄めることになった。
眩しいわよ……この馬鹿。
光に包まれた部屋。
昔の英国貴族のような気品のある部屋に似合わず、色々な国のたくさんのぬいぐるみや人形が無造作に置かれている。
これが、私の毎朝のように繰り返される光景。