【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
……中途半端な時間。
やっぱり、行きたくない。
授業の途中なんかに、教室に入ったら100%視線が集まる。
行くのやめようかしら。
よし、今日は行かないことにする。
また明日頑張って行くことにしよう。
「ねぇ、零?」
「さぁ…お車にお乗りください、お嬢様」
私を学校に行かせる気、満々の零。
『やっぱり行かない』なんて言えない。
…行くしか、ないわね。
「嗚呼、鬱だわ」
そう、ふんっと返事をして黒光りする車に乗った。
特注のふかふかシートに、寝転んで目を瞑る。
車のドアがゆっくり零の手によって閉められ、数秒すると車が静かに動き出した。
「制服にシワがついてしまいますよ」
エンジン音が小さい車内。
零の嫌味たっぷりな小言なんかは、安易に聞き取れることが出来る。