【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
へへっと笑顔を浮かべる彼女。
目が離せなくなった。
初めてだった。
学校で、こんなに人と話すなんて。
いつも自分の株を上げようと必死な人たちの点前が飛び交う毎日。
憂鬱だった。
でも、彼女からはそんなようなものは感じない。
ほんのすこしだけ、彼女を見ていたら、私の居場所はあるのかもしれない…そう思えた。
「あ…有難うございます」
「あたしの名前分かるっ?」
またぺこりと頭を下げた私の髪を、くしゃくしゃと撫でながら彼女は言った。
お日様みたいな温かい声、笑顔。
「川野さん、ですよね」
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