【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
さっき、おばあちゃん先生がそう呼んでいた。
よかった。覚えてて。
ぱぁっと嬉しそうに無邪気な笑顔を浮かべる川野さん。
まるでさっきとは違い、小さい子供のような笑顔だ。
「下の名前は知らないよね!?」
「…はい、ごめんなさい」
「玲つーの♪ レイって呼んでね♪」
さっきとはまたいって変わって雑誌に載っていそうなモデルさんのような笑顔。
表情がとても豊富な人。
見ていて飽きない人……。
それよりも気になってしまったことがある。
レイ…零と同じ名前。
「分かったわ」
ただあの馬鹿零と名前が同じだけで…いい人そうに見えてきてしまうのは、ただの錯覚かもしれない。
だけど" 友達 "というものになれるかもしれない。
そう思った。
彼女が人生で初めての友達になったら、どんなに幸せだろう。