【番外編更新中】鬱気味お嬢様の甘い諸事情。
”友達なんて欲しくもなかったしつくりたくもなかった。”
いつもそう思って、本当の感情に蓋をしてた。
怖かったから。
でも本当はすごく欲しかった。
いつも楽しそうなクラスメイトがとても羨ましかった。
だから、余計にちょっとだけ今が嬉しくて。
今が楽しい。
学校はただの地獄じゃなかったのね。
「あたしは、しゅりりんって呼ぶから♪」
「………っ」
一瞬にして、全身が鳥肌で覆われる。
空気が凍りついたように…寒い。
しゅ……しゅりりん?
そんな綺麗な顔をして、いきなり何を言い出すの?
満面の笑みで、『しゅりりん♪』と繰り返す彼女を見ていたら、嫌とは言えない。
言えるはずがない。
「あ…えぇ、いいわ…よ」
無理やり笑顔を作る。
嗚呼、顔がひきつる。痛い。